MSRのリアクターの正体
まずはMSRのリアクターを購入してこの冬使ってみた感想です。
ユニのストーブ入れ袋がぴったし
最近はこればっかり使っております。
スノートレッキングの休憩時に素早くお湯をわかしてお茶したいのでMSRのリアクターを購入しました。リアクターは日本国内では正規の販売がされていません。
僕はしかるべきところから買いました。自己責任自己責任
で。使ってみての感想はつきなみですが風に強い! これにつきます。トレッキング最中の休憩だと急に風が強くなったり風向きが変わったりしてバーナーの火が安定し無い時がありますが、リアクターはそもそも燃焼部分がすっぽり覆われていて風の影響を受けない構造になっています。
同じ瞬間湯沸かし系のジェットボイルは強い風には弱く風防が必要な時がありますが、リアクターは取説に風防を使わないよう書いてありました。
この違いはなんでしょう?
キャタリティックヒーターか?
リアクターを初めて知った時、昔のコールマンのキャタリティックヒーターみたいな形してるなぁって思った。
ずいぶん前にワカサギ釣りに福島県の檜原湖に通ってた時に氷上テントでキャタリティックヒーターを使用してる人をみかけてちょっと話をした事があった。
なんか燃えてるんだか燃えてないんだかわからない微妙な暖かさだけ印象に残ってる
後になって触媒をつかったハッキンカイロ親方みたいなやつだと知りました。
なんでも当時のキャタリティックヒーターはこの触媒部分に白金蒸着したアスベストを使っていたそうで時代を感じさせます。
リアクターも発売当初から触媒をつかった燃焼方法を使用しているといわれてましたが
地味なキャタリティックヒーターの触媒酸化に対してリアクターのそれはとっても派手な感じなのだがこれも触媒燃焼なのだろうか?
カスケードデザインは一応 日本国内でリアクターに関する特許を2006年に出願している。
特許は発売するとかしないとか関係なくだすから一応出したのだろう。
その中で
記述され、図示されたバーナーは、優れた効率と望まない燃焼時の副生成物を極めて減少させる。例として、COの生成は、同等の大きさの従来のストーブに対して約8分の1となる。同様に、商業的に利用可能な競合するストーブと比較したとき、窒素酸化物が極めて減少される(おおよそ80-93%)
一酸化炭素と窒素酸化物の発生を極めて少なくおさえているとしている
たしかになんか触媒燃焼っぽい
薪ストーブのキャタリックコンバスターなどにも近い
ところでこの真っ赤になる金属のスポンジみたいのは何か?
ポーベール・アドバンスド・マテリアルズという会社がMETPOREという名前で販売してる多孔性金属発泡材料だそうです
これが触媒なのだろうか?
風に強い理由
ケトルを乗せると完全に燃焼部分が覆われて外気の影響をほとんど受けないリアクターは燃料であるガスを二手に分け二つの混合パイプで(50の部分)燃料ガスと空気の混合気を作り空洞(図の空白部分のほとんど)におくりこみ
これが多孔性金属発泡体を通って表面燃焼しているため周りの空気からの酸素を必要としない。
その結果
本発明は、強制対流及びより高温の非拡散燃焼ガスを通じて収容容器への高い熱伝導値を獲得するための放射バーナー及び任意に採用される熱交換器の配置を利用し、表面領域に余分な熱交換器を追加することなく、システム全体の効率を(70%~85%)に高める
特許情報より
きになるのは特許情報にも触媒作用に関する記述がないことと色々ネットで調べても
リアクターが触媒燃焼であるはっきりした情報が無い点だ。
本国のサイトにもそんな表現がないしこれって触媒関係ないんじゃないかな。
メタルニットバーナー
結局、触媒燃焼なのかどうか分からなかったが、どうもメタルニットバーナーという特殊なバーナーの変形種なんじゃないかと思えてきました。
http://cgi3.shoei-mfg.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2012/07/088-089.pdf
メタルニットバーナーはその名の通りニット状の細かい耐熱金属繊維で出来たバーナーで特徴がリアクターによく似ている
- 予混合燃料を使う
- 予熱に時間がかからない
- 一酸化炭素と窒素酸化物の排出が極めて少ない
燃焼してる雰囲気も似てるしリアクターってメタルニットバーナーが多孔性金属発泡材料になっただけじゃないの